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2016年

10月

12日

40Winks

 

ロンドンで一番面白いエリア、イーストロンドンに、40 Winksという小さな、そしてちょっと風変わりなブティックホテルがあります。    

 

300年前に建てられたタウンハウス。

そこに一歩足を踏み入れたら、もう別世界。イーストロンドンの喧騒は一瞬で消えて、魅惑的な空気に包まれます。

 

「最もファッショナブルなホテル」「No.1スモールブティックホテル」「最高にエキセントリックでセクシーなホテル」と、数々の雑誌にも取り上げられてきたこの小さなホテルに、世界各国からゲストがやってきます。    

 

 

ここはロンドンをベースに活躍するインテリアデザイナー、David Carterの住居兼スタジオ兼ホテル。Mr. Carter自らが手がけた空間は、雑誌やカタログの撮影スタジオとしてもよく使われています。    

 

 

ホテルと言っても、最上階の3階にダブルルームとシングルルームが一部屋ずつあるだけ。ポーターもいなければ、フルブレックファストもなく、バスルームは共同。設備としてはB&Bに近いくらい。

 

でも「それを了承のうえで、チェーンホテルの画一的なサービスにはない、記憶に残る特別な経験をしてほしい。そこに価値を感じてくれるゲスト一人一人との出会いを大切にしたい」とMr. Carterは言います。    

 

ここを特別にしているのは、何といってもその世界観。

彼のビジョンをそのまま落とし込んだ空間は、あえて言うならモダンクラシック。でも、もっとずっと複雑で摩訶不思議な世界です。アンティークと新しいアイテムを巧みに混ぜるだけでなく、イギリスやフランス、中国、日本と、世界各国のものを散りばめた、究極にエクレクティックなインテリア。

レーベルにもこだわらないし、ルールもありません。あるのは明確なビジョンだけ。   

 

 

 

エントランスホールから続くラウンジは、ダークで魅惑的なサンクチュアリ。撮影スタジオや客室は、明るいトーンでまとめられたロマンチックな非現実の世界。「マリー・アントワネットの華麗さに、男性らしさを排除した007のスマートさとエレガントさ、そんなうっとりするほどラグジュアリーな空間」とMr. Carterは表現します。    

 

印象的だったのは、デザインだけでなく、質やディテールにもこだわる彼の美意識。 

  

 

 

歩くだけでわかる上質なカーペットにフローリング。

ハンドペイントが施されたバスルームの壁紙、仕上げのきれいな塗装、マーブルを組み合わせたオリジナルのキッチンワークトップ、丁寧に選ばれた椅子やクッションなどのファブリック類。

ミラーやテーブル、キャビネットなど、調度品も素敵なものばかり。

オーダーメイドのフロアランプはコルセットをイメージして作られたもの。

撮影スタジオの、チュチュを束ねたようなシャンデリアももちろんオリジナルです。各部屋に飾られたたくさんのオーナメント類もすべて彼のセレクト。

エントランスには子供靴が並び、ベッドにはぬいぐるみ、ラウンジには日本の能面や着物、中国のパーティションがあるし、建物中にオブジェや置物が飾られています。  

  

 

そして何より彼自身が、いつの時代ともつかないこの世界の住人。普段からエレガントなスーツや衣装を身にまとい、この空間と、そこに流れる時間をより妖しくリアルに感じさせていました。 

 

 

 ゲスト以外にもここで特別な体験をしてもらおうと、40 Winksではイベントも主催しています。厳格なドレスコードがあるパーティーなど、チケットはすぐに完売するほどの人気。一度足を踏み入れた人はみんな、大胆で魅惑的なMr. Carterの世界に引き込まれていくようです。

written by Aki Aida

 

 

 

 

40 Winks    

 

109 Mile End Road, London E1 4UJ

 

地下鉄Stepney Green駅から徒歩3分、Bethnal Green駅から徒歩10分強

 

WEBSITE

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2015年

5月

13日

The Trip to Italy

2014年にBBC TWOでテレビシリーズだった「The Trip to Italy」。 

 イギリスのコメディアン、スティーブ・クーガンとロブ・ブライドンが食レポでイタリアの北はピエモンテから南はカプリ島までをミニクーパに乗って旅するお話。


このテレビシリーズが映画となって現在日本で公開されています。

全6話からなるテレビシリーズを映画にしてあるので多少カットされた部分もありますがよく構成されています。   


 左:スティーブ・クーガン 右:ロブ・ブライドン
 左:スティーブ・クーガン 右:ロブ・ブライドン

 

 

主演のスティーブ・クーガンとロブ・ブライドンはイギリスのコメディアン。二人とも知らぬ人はいないであろう、人気者。

 

スティーブは最近ではたくさんのハリウッド映画にも出演し俳優としての知名度も上がっています。 

 

 私生活でも仲の良いという二人。劇中でも二人のアドリブとも思える会話はテンポ良く思わず聞き入ってしまいます。

 

そして監督は「The Trip」「The Trip to Italy」共に、イギリスを代表するマイケル・ウィンターボトム。映画監督としてとても有名ですがテレビシリーズなども多く手がけています。    









写真下、一番右がMichael Winterbottom監督          



The Trip to Italy」には前作があり、それが「The Trip(2010)。二人がレストラン巡りの取材を依頼されイギリスの湖水地方を旅します。The Trip to Italyは、湖水地方のレポが好評で今回はイタリア、というのがお話の流れ。 

 映画の中でもこの流れは分かりますが是非この一作目も見ていただきたい。


湖水地方、英語ではレイクディストリクトはイギリスの中でも有名なフードディストリクト。数多くあるのは湖だけではありません。ミシュラン星付きレストランも数軒ありますし、ホテルも5スターホテルから有名なマナーハウスまで。長い歴史上、イギリスの中でも裕福な方々が避暑地として夏を過ごしたりする場所です。    

 

この両作とも共通するのが、出てくるレストランやホテルは全て実在するもの。 

今回、「〜Italy」のお話なのでイタリアをメインにいくつかご紹介します。 

 

 二人が最初に訪れるレストラン(ロブのモノマネがすごい)はピエモンテ州にある老舗レストラン、Trattoria della Posta。バローロの畑が一望出来るイタリア伝統料理を出すお店。ここで二人がいただくボロネーゼでまずはイタリア料理の洗礼を受けます。

 

ローマではドイツ人シェフがイタリアで修行をし、2011年からはミシュランの二つ星というRistorante Oliver Glowing。斬新なモダンイタリアンを愉しめます。 


   そして最後の晩餐はカプリ島の5スターホテル、Capri Palace内にあるIl Riccio、こちらもミシュラン星一つ。地中海を見渡せるレストランは眺望にもお料理にもうっとり、言葉を無くします。



出典:http://www.theguardian.com/film/2014/jan/21/trip-to-italy-review-sundance-steve-coogan-rob-brydon
出典:http://www.theguardian.com/film/2014/jan/21/trip-to-italy-review-sundance-steve-coogan-rob-brydon



そしてなんと言ってイギリスジョークが満載。

ともすればオヤジギャグ?にもなりかねない冗談もたくさんありますが。

二人ともモノマネも得意とするのでこのバトルも楽しみの一つ。特にロブの十八番のヒュー・グラントは必見です。    


二人が旅するこのイタリア、ウエストコースの旅はとても人気があります。    

ワインで有名なピエモンテ州から始まりそのまま海沿いに出てピサを抜けトスカーナへ。そのあとはローマそしてナポリへ。ナポリから少し南に行くと世界遺産のポンペイへ。ワイン畑、海、世界遺産と素晴らしい旅のコースになることでしょう。 

そして、やはりベストシーズンは春から夏にかけて! 

サマーホリデーがまだ決まってない、なんて方は是非、このThe Trip to Italyを見て二人の足跡をたどってみるのもよいかも。

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2014年

9月

15日

Emily Doran Pottery

温かみのある色とフォルムが印象的なEmily Doran Potteryのテーブルウェア。その作品はすべて轆轤(ろくろ)で作られていて、よく手になじむ。どこか懐かしいのは、ハンドメイドならでは感覚だと思う。

   

 

 

イギリス美術界の総本山・Royal Academy of Artsでマーケティングや美術史を勉強し、卒業後はアートマーケティングの仕事に就いたエミリー。コンテンポラリーアートギャラリーの先駆け・Whitechapel Galleryで働いたこともある、輝かしい経歴の持ち主だ。

 

 

でも「5年でデスクワークが嫌になったの」と笑う。アート業界の促進よりも、自分の手で作品を作りたいと思ったエミリーは、陶芸の世界へ足を踏み入れる。それもわずか2年前のこと。なぜ陶芸だったの?と尋ねると、「クレイ(土)で制作することが好きだから。彫刻に近い感覚かな」と答えた。手の中で形を変えていくクレイ。エミリーはそこから生まれるフォルムの虜になっていく。

 

 

イギリスにおける陶器の歴史は長い。エミリーの作品が特にcountry potteryの影響を受けていることは、クラシックでシンプルなラインアップから伺える。意外だったのは、「あと、日本の楽焼もね」と言ったこと。楽焼は千利休にも愛された日本の伝統的な陶器。どちらかと言うとダークな色合いで、力強い男性的なイメージがある。「確かに私の作品は柔らかくてフェミニンね。でも楽焼のフォルムや釉薬は奥が深くて素晴らしいの!そのエレメントは私の制作にも生きている。伝統的な技術や製法を、コンテンポラリーな普段使いのテーブルウェアに活かしたいと思っているの。」    

   

 

 

   

 

 

金曜日のOld Spitalfields Marketに出ているストールでは、実際の作品を手にとることができる。小ぶりなサイズから揃っていて、実用的なのも嬉しい。現在のカラー展開は素朴なSpeckle Oatmealと、グリーンがかった淡いブルーのDuck Egg2色。このやさしい色味が、シンプルなフォルムに洗練された雰囲気をまとわせる。もちろん新しい色も開発中だ。    

 

週末もスタジオにこもり、制作や釉薬の研究に没頭することが多いそう。「ギャラリー巡りをする日もある。いい刺激を受けられるしね。でも、制作が私のpassion」と笑顔で話す。夢は「陶芸の世界で生きていくこと」と即答しつつ、まだ続きもある。

「今はスタジオをシェアしているけれど、いずれは自分だけのスタジオを持ちたい。窮屈なロンドンではなく、インスピレーションがみなぎるような広々した場所ね。あと私の作品をたくさんのショップやギャラリーに置いてもらって、たくさんの人に私の世界観を見てもらいたいの。」目を輝かせて話すエミリーの前には、明るい未来と具体的なビジョンが広がっている。

 

 

 

近々オンラインショップをオープンするそう。

11月にエンジェルで開催されるCountry Living主催のクリスマスフェアにも出店する予定。

しかも今年の冬には3色展開になっているはず!?まるで数年分の密度がある1年だ。魅力的な笑顔と社交的な人柄、アート業界を外から支えてきた経歴、そして制作への情熱。そのすべてがエミリーの原動力になっている。Emily Doran Potteryの今後が楽しみだ。    

    

written by Aki Aida

 

 

 

 

 

Emily Doran Pottery 

 

http://www.emilydoranpottery.com    

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2014年

5月

14日

Chelsea Physic Garden

 

閑静な高級住宅街・チェルシーの一角に、レンガの塀で囲まれた秘密のガーデンがある。    

 

 

 

知らなければうっかり通り過ぎてしまいそうなたたずまい。

でもその歴史は古く、1673年までさかのぼる。ペストがロンドンで再流行して間もない頃、植物の医学的な効用を研究する薬草園として創設されたのが、このChelsea Physic Gardenだ。 

 

 

当時、植物の運搬ルートだったテムズ川から運び込まれたのは、世界中から集められた植物たち。イギリス原産でない植物が生き残れるよう、火山岩や火打石などが集められ、池やロックガーデンも作られた。

ガーデンを囲っている塀も、おだやかな気候を保つのに一役かっているそう    

 

 

ガラスハウス(温室)はヴィクトリア時代からのもの。こんな素敵なガラスハウス、なかなかお目にかかれない。この中では熱帯や地中海性の植物が元気に育っている。